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Metabolizing Form : Grave
Metabolizing Form : Grave
「Metabolizing Form」は、現在進行中の美術である現代美術(コンテンポラリーアート)の保存修復や彫刻の政治性に焦点を当てたプロジェクトです。
現代美術は常に新しい表現方法が研究・実践されています。絵画や彫刻などの伝統的な素材ではなく、自然物ではない素材を用いてさまざまな形態の作品が制作・発表されています。これにより、素材は空間や時間、言葉などの概念にまで到達しています。
このプロジェクトでは、作品自体が人間による修復を受けずに『自己修復』を可能とする仮説が立てられており、その実践を行います。この彫刻作品は我々よりも圧倒的に長い時間スケールで存在し続けることになるため、その行く末を観察することは難しく、未来の果てをイメージする装置として機能します。
今回のプロジェクトでは、修復機能のあるモルタルを使用して制作されます。これは、お墓のような存在でありつつ、同時にベンチのような機能も備えています。また、モルタルを栄養として食する虫も関与しており、さまざまな関係性の中で造形が変化し、コントロールできない自然のプロセスが写されることとなります。
このようなプロジェクトを通じて、伝統的なアート作品とは異なる、持続可能な自己修復の可能性を追求するとともに、自然との関係性や不可逆性などのテーマが探求されることでしょう。
制作協力:井上 修志
助成: 公益財団法人アイスタイル芸術スポーツ振興財団