書家の華雪さんによる公開パフォーマンス。天川の空の下で「星」の文字を認めます。
予約・お申し込みは不要です。

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「星」を書く

おととしから天文学者の方と合同ワークショップをさせていただくようになった。 日々、漠然と見上げていた星の光がずっとずっと昔に放たれた光だと改めて知らされる。光年について学生の頃、学んだことを思い出す。ただ、それでも視線の先に光る星の瞬きは、わたしの今ここに瞬くものとして感じることの不思議を思う。

「星」の字の甲骨文字は、〈日〉で表わされるきらきら光るものと、〈生〉で表わされる生え出てきた草を象っている。「星」と書くとき、今、わたしたちは〈日〉をひとつ書くが、かつてはそこに三つの〈日〉が書き込まれていた。三つは、たくさんあることを意味する。

辺りを明るく照らしていた太陽が空から消え、訪れる夕闇の中に小さくきらきら光るものが現れ始める。闇が深くなるにつれ、光は数を増す。空に星があるそんな光景に、草の生え出るかたちの〈生〉を書き加えた「星」の字。そこに、この甲骨文字を書いた「誰か」が地上にいて空を見上げる姿を思う。

天の川と書く天川村で、夕暮れを待ちながら、かつて「星」の字を想像した「誰か」の眼差しを辿るように、「星」の字を書いてみたいと思う。

於 : 千葉市美術館
写真 : 花坊