MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館




CREATIVE TEAM

クリエイティブチーム
PRODUCER
齋藤 精一
Seiichi Saito
2020年に観光復興を機に始まったMIND TRAILは、2023年から地域の人々とともにアクションを起こす、次のフェーズへと進化しました。テーマに「Competency/人が集まり力となる」を掲げ、MIND TRAILに参加することで地域の活動に寄り沿うことができるような取り組みを考え、数多くのアーティストたちと協働しています。
これまで開催地を吉野町、天川村、曽爾村としてきましたが、今年は吉野町はそのままに、下市町、下北山村を新たな開催地として展開し、奥大和を構成する奈良県内の19市町村とMIND TRAILが、年月をかけながら共創していける構想を育んでいます。
大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)の壮大な自然と修験道の文脈が交差する奥大和を歩きながら、アーティストたちが創り出すさまざまな作品をレンズに見立て、体と心で地域を読み取る時間を過ごしてほしいと思っています。
Photo. Muryo Honma (Rhizomatiks)
PROFILE
1975年 神奈川県生まれ。建築デザインをコロンビア大学建築学科(MSAAD)で学び、2000年からニューヨークで活動を開始。Omnicom Group傘下のArnell Groupにてクリエイティブ職に携わり、2003年の越後妻有アートトリエンナーレでのアーティスト選出を機に帰国。2006年 株式会社ライゾマティクス(現:株式会社アブストラクトエンジン)を設立。社内アーキテクチャー部門『パノラマティクス』を率い、現在では行政や企業などの企画、実装アドバイザーも数多く行う。
2023年グッドデザイン賞審査委員委員長。2025年大阪・関西万博EXPO共創プログラムディレクター。2023年 D&AD賞 デジタルデザイン部門審査部門長。
YOSHINO AREA DIRECTOR
矢津 吉隆
Yoshitaka Yazu
修験道の地として栄えてきた吉野を歩きながら感じたことは人々の営みについてでした。信仰、林業、観光、そして生活。様々な営みがこのまちの気分を醸成しています。今回、私が選んだアーティスト達はそれぞれ違いはあるにせよ、異なる分野のアーティストが複数人で活動を共にしています。コレクティブ、楽団、アートユニットなど呼び方はさまざまですが、彼らは1人では達成できないことを複数人で取り組むことで達成していると言えます。2020年、人と会うことを制限された世の中で、私は人と一緒に作品をつくることの意味に改めて向き合いました。そして、2023年の今、ようやく以前のように会える世の中で、今回総勢20名を超えるアーティストが吉野エリアで芸術祭に参加します。困難を乗り越えてどのような表現が生まれるのか楽しみです。
PROFILE
1980年 大阪生まれ。京都市立芸術大学美術科彫刻専攻卒業。京都芸術大学専任講師。京都市立芸術大学芸術資源研究センター客員研究員。京都を拠点に美術家として活動。また、作家活動と並行して宿泊型アートスペースkumagusukuのプロジェクトを開始し、瀬戸内国際芸術祭2013醤の郷+坂手港プロジェクトに参加。主な展覧会に「青森EARTH 2016 根と路」青森県立美術館(2016)、個展「umbra」Takuro Someya Contemporary Art (2011)など。企業や自治体、大学などと連携して展覧会の企画や仕組みづくりなどを行っている。
SHIMOICHI AREA DIRECTOR
SKWAT
SKWAT
コロナが収束する今、これまでのMIND TRAILの在り方が少し変わるかもしれません。
これまでは、自分や自然との対話を重視して来たからこそ成り立っていた鑑賞型の展示。
ただ、今求められるのは現地の人達とより深く協業し、MIND TRAILをより深い階層でともに創り上げることではないでしょうか。
下市の営みや生態系にSKWATが介入することで、普段隠れている芸術性を顕在化させ、それらが町の資産となり、自走のきっかけになってくれると信じています。
PROFILE
SKWATは都市の遊休施設を一時的に占有し、一般へ解放する運動として2019年に始動。現在では、物理的な空間のみならず、オンラインや公共電波にも範囲を拡大し、場づくりや発信活動に取り組んでいる。チーム構成としては各々別のバックグラウンドをもった3名のコアメンバーの他、プロジェクトベースに様々な人々とコラボレートし柔軟にチームを編成。その手法は展示、出版、物販、レクチャーとさまざまだが、いずれも不完全なものから生じる価値の転換に焦点を当てて展開している。
SHIMOKITAYAMA AREA DIRECTOR
浅見和彦
Kazuhiko Asami
下北山村は、村の大部分が吉野熊野国立公園に指定されるなど自然豊かな美しい場所で、村内を歩くと、山が見えるし、川の水は透明度が高いし、やわらかい時間が過ぎていくのですが、自然豊かだけでないのが下北山村のすごさで、役行者との前鬼後鬼の逸話や、ツチノコの伝説、民俗誌によると狐や狸に化かされた経験がある人がたくさんいたなど、興味深い話が多い場所です。そのような魅力的な場所で、様々なアーティストと一緒に現地ならではの体験をご用意しますので、是非いらしてください。
PROFILE
Project Director
UXリサーチ、サービスデザインからXR技術を活用したデジタルコンテンツの制作など、プロジェクトのデザインやディレクションを担う。近年の主要な取り組みとして、Psychic VR Lab / PARCO / loftworkの共同プロジェクト「NEWVIEW project」の全体統括、東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団が設立した「シビック・クリエイティブ・ベース東京(CCBT)」のアーティストフェロー、デザインコレクティブ「SandS」の代表などが挙げられる。
ゴッドスコーピオン
God Scorpion
下北山村のエリアディレクターとしてお招きいただき、光栄に思います。
下北山村は、飛鳥時代に修験道の開祖である役小角によって開かれた大峯奥駈道の釈迦ヶ岳、涅槃岳のそばに位置しています。修験道では大峯の山々を神と仏が融合する山界曼荼羅と見立てます。古道は、熊野から吉野まで80kmに渡り、標高は900〜1800m級の山々を越える修行の道であり、それは日本最古のロングトレイルとも言えるでしょう。
下北山村の発生の歴史に思いを馳せると、それは1400年前に遡ります。かつて役小角は奥駈道を開き、山で龍樹(ナーガールジュナ)と出会い神通力を手に入れ、人々のために蔵王権現を顕現し、また前鬼と後鬼という鬼を使役します。使役された鬼はやがて人間になり、前鬼という宿坊を形成しました。その場所に修験者たちが集まり、やがて宿坊のある山の中腹から降りた人たちが村を築きました。さらに時代を遡り今回のトレイルコースにもなる明神池に目を向けると、そこは約20万年前に形成された河床を元に、数万年から数十万年前に起きた山や崖の大崩落によって現在の形が作られたと言われています。
MIND TRAILによってこのスペクタクルな山地に、皆さまとどんな景色を望むことができるのか今からとても楽しみにしています。
PROFILE
Media Artist
主に形而上学や宗教哲学、テクノロジーを題材に、時間軸と空間軸のフレームの変化をテーマにした作品を制作。作品は都市や屋外、屋内、身体といった様々な空間で展開され、XR技術を利用したマルチメディア、横断的な作品を手がける。XRプラットフォーム『STYLY』を提供するPsychic VR Lab Co., Ltd. Founder Member/Senior Art Director。
吉田山
Yoshida Yamar
4回目となるMIND TRAILに、ゴットスコーピオンさんと浅見さんと共にディレクターポジションとして参加させていただきます。地区としては奈良県の南部に位置する下北山村です。当方、現在は東京を拠点としておりまして、この芸術祭の舞台である下北山村までは電車等を乗り継いで7時間、自動車ですと8時間という割と遠いと言える距離感です。そして、山歩きをベースとした企画ですので、都市での美術館やギャラリー等の建築内部空間ではない場所での取り組み方の構築を都市から村への移動の道中で移り変わる景色の中で発酵することになるかもしれませんし、我々にとってこの企画においてアートの定義や視点の発明や発見や変化が行われるか/行っていけるかが興味深いですし、我々がお声がけさせていただいたアーティストやプレイヤー方、村の方々と協働していくことでどのような景色や環境や関係が生まれていくかとても楽しみでなりません。
私自身、現在は東京を拠点としておりますが、育ちは富山県でして、三方を山、一方を海で囲まれた土地でして、まさに大自然と呼べるスケールで生まれ育ちました。あの時に経験した山遊びの身体感覚と遠くに見えるアルプス連峰などからもたらされた空間の認識を再度呼び起こされることになると考えております。何卒よろしくお願いいたします。
PROFILE
アート・アンプリファイア
日常でのフィールドワークを基に、そのアウトプットとしてアートスペースの立ち上げや作品制作、展覧会のキュレーション、ディレクション、コンサルティングや執筆等の活動をおこなう。
近年の主なプロジェクトとしては、The eyes of the wind/風の目たち(obscura,トビリシ,2022)、MALOU A-F(Block House,東京,2022)、のけもの(アーツ千代田3331屋上,東京,2021)、「芸術競技」+「オープニングセレモニー」(FL田SH,東京,2020)、「インストールメンツ」 (投函形式,住所不定,2020)。
2023 Atami Art Residenceディレクター
2022 シビック・クリエイティブ・ベース東京(CCBT)アーティストフェロー
MAIN VISUAL
上西 祐理
Yuri Uenishi
MIND TRAILが始まってから今回で4年目ですが、今回ロゴやビジュアルをリニューアルするということで担当させていただきました。これまでの3年間での積み重ねを活かしながら、また、新しいイメージも付加できたら良いなということで、これまで1年ずつ使われていた、禅僧 仙涯義梵和尚の書「◯△□」のモチーフを引き継ぎ、新たなロゴとしました。その「◯△□」を窓にみたて、奈良の自然や山々などの風景の絵がのぞいています。MIND TRAILは山を歩くことと美術鑑賞が合わさった珍しい芸術祭だと思います。自然と、作品と、あるいは自分自身との内なる対話や、身体性を伴ったこの鑑賞体験が、素敵なインスピレーションをもたらしてくれるといいなと思います。
(デザイン : 上西祐理 イラスト : 平野晶)
PROFILE
1987年生まれ。東京都出身。2010年多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業、同年電通入社、2021年独立、北極設立。 ポスター、ロゴなど単体の仕事から、ブランディングやキャンペーン、映像、空間、本、雑誌など仕事は多岐にわたる。今までの仕事に、世界卓球2015 ポスター / テレビ東京、2121年 Futures In-Sight 展 / 21_21 Design Sight、雑誌「広告」 / 博報堂、LAFORET GRAND BAZAR SUMMER 2018 & 2019 / LAFORET HARAJUKU、#SHEMOVESMOUNTAINS / THE NORTH FACE など。主な受賞歴:東京ADC賞、JAGDA新人賞、JAGDA賞、CANNES LIONS金賞, NYADC金賞、D&AD Yellow Pencilなど。趣味は旅と雪山登山。旅は現在42カ国達成。
WEBSITE
BYTHREE inc.
BYTHREE inc.
芸術祭として独自の価値を提供するMIND TRAIL。その存在を初めて知る方にも「参加してみたい」と思っていただけるようなサイトを目指しました。奥大和に訪れる前も、当日も、その後も本サイトを利活用いただけたら幸いです。
PROFILE
大阪を拠点に活動するクリエイティブスタジオ。企画とグラフィックデザインを軸に、ブランディングや広告・プロモーションツール制作、ウェブサイト制作などを行う。
Art Direction:吉田貴紀、Direction:栗原里菜、Web Design:喜田周作・水田汐香、Programming:水口 卓哉・岡本 真明
PR
いろいろ
iroiro
PROFILE
全国の美術館、芸術祭、アートフェアなどのPRを担当。これまでの主な芸術祭にKYOTOGRAPHIE(京都)、ヨコハマトリエンナーレ(神奈川)、あいちトリエンナーレ(愛知)、別府混浴温泉(大分)、リボーンアートフェスティバル(岩手)、オルタナティブ京都(京都)、SENSE ISLAND(神奈川)、東京ビエンナーレ 2020/2021(東京)など。また、これまでに原美術館、東京オペラシティアートギャラリー、大阪中之島美術館、大分県立美術館 OPAM、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館などの広報を担当。地方自治体のPR企画にも携わる。